ドライアイについて

最近めっきり寒くなり、それとともに空気も乾燥するようになってきました。手指や唇のお手入れも始める人が増えてきたのではないでしょうか?

目に関しても、最近ドライアイ症状で外来を受診するかたが増えてきました。
今日は少しドライアイについて述べたいと思います。

ドライアイは、大きく2つに分けられます。
1つは、涙液が目の表面にとどまってくれないタイプ(BUT短縮型)です。BUTというのは、涙液破壊時間とよび、検査用の色素を目につけて、どれくらい目の表面に涙液がとどまってくれているかを調べる検査です。これが短いと、涙はあっても、目の表面が乾いてしまい、異物感や乾燥感などつよい自覚症状が出現します。このタイプのドライアイでは、目の表面の表層上皮に対する治療が必要となります。最近テレビでも紹介された、膜型ムチンの発現を促進する点眼薬ジクアホソルナトリウム点眼液が奏功すると考えられます。

もう一つは、涙液の分泌が低下しているタイプです。これは、涙腺機能の低下から、眼表面の水分量が低下している状態で、シェーグレン症候群や関節リウマチなど膠原病に関連している可能性があります。こうした病態には、目の涙液をおぎなう治療が大切となります。先ほどのジクアホソルナトリウム点眼液は、涙腺機能に関係なく結膜上皮細胞からの水分分泌が促進されるために有効であると考えられ、従来のヒアルロン酸ナトリウムの点眼液に加えて使用することにより、より効果が得られると考えられます。また、症状の強い方の場合、眼表面の炎症が病態に関与すると考えられるため、低濃度のステロイド点眼が有効な時があります。

以上、ドライアイについて少し書きました。今はよい点眼液が出てきていて、治療しやすくなってはきているのですが、目に対する配慮も必要です。お仕事で一日中パソコン、よる遅くまでビデオやテレビ、乾燥しやすい環境もやはり目に負担をかけてしまいます。エアコンなどが直接目にあたらないようにする、パソコンのモニターはできるだけ下方に設置するなど、目をとりまく環境のリスクを減らすことも大切です。

実はドライアイの話は、奥が深いのです。次回は、コンタクトにともなうドライアイと、マイボーム腺機能不全によるドライアイについてお話したいと考えています。

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