網膜剥離ときくと、ボールでもぶつかってなる病気と思われる方も多いかもしれません。確かに若いかたの網膜剥離は、部活で野球のボールがぶつかったとか、けんかで殴られたなど外傷によるものが多いのです。が、中年以降のかたの網膜剥離の場合は、飛蚊症が起こることが原因となることが多いのです。(中には、若いかたで、原因がなく発症する網膜剥離もありますし、アトピーが原因でなる方もいます)
網膜剥離は、季節によって多いと言うことはないのですが、なぜか多いときはなる患者さんが続きます。それほど多くの患者さまがなる疾患ではなく、当院ではひと月に数名くらいだったのですが、今年7月から8月にかけては、なぜか毎日のようにみつかって、網膜光凝固という治療をおこなっていました。なかには残念ながらすでに剥離が広がってしまっていて、外来での光凝固術では対応できず、自治医大などにご紹介する方もいらっしゃいました。
飛蚊症は、目の前に黒いごみのようなものや、薄い雲のようなものが動いてみえたりする症状のことです。加齢による生理的な現象で、心配のないものがほとんどなのですが、時に病的飛蚊症といって、網膜剥離や硝子体出血を起こしていることがあるのです。ですので、飛蚊症を自覚したら、まずは受診をお勧めします。早めに発見できれば、大きな手術にならずに、外来で加療することが可能なことが多いためです。